• 兵庫県臨床心理士会

「ありふれた臨床」研究会オープンセミナー 臨床現場を書く―心だけではなく、社会を

更新日:7月11日

研修主催団体: 「ありふれた臨床」研究会

「ありふれた臨床」研究会オープンセミナー 臨床現場を書く― 心だけではなく、社会を


 「ありふれた臨床」研究会のオープンセミナーです。人類学者の小川さやか氏をお招きして、個々のケースではなく、臨床現場全体を描くためのエスノグラフィーの書き方について考えてみたいと思います。

 そこで描かれるのは心だけではなく、社会の中の心です。心理学理論だけではなく、社会学や人類学のような社会理論を用いながら、臨床を描くことを試みたいと思います。そのために岩倉拓氏に被災地支援のエスノグラフィーを、堀川聡司氏に大学付属心理相談室のエスノグラフィーを語っていただき、それを心理学と人類学の二つの角度から議論してみようと思います。


日時:2022年9月23日(金・祝)13時~17時

場所:TKP品川カンファレンスセンター(東京都港区高輪3-25-23) https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/cc-shinagawa-shinkan/

形態:現地でのセミナー+リアルタイム放送のハイブリッド(2週間見逃し配信あり)

参加費:4,000円(お申込みの方には追ってお振込先をお知らせします)

参加資格:「臨床心理士」または「公認心理師」いずれかを所有されている方

申込方法:https://onl.la/7jnn9qp のGoogleフォームよりお申し込みください


スケジュール

司会:山崎

1230-1315 東畑開人氏による講義

1315-1400 小川さやか氏による講義

休憩15分

1415-1515 岩倉拓氏によるエスノグラフィーの検討

1515-1615 堀川聡司氏によるエスノグラフィーの検討

休憩15分

1630-1800 フリーディスカッション


登壇者紹介(敬称略)

小川さやか 文化人類学者。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。専門はアフリカ地域研究。博士(地域研究、京都大学)。 主な著書に、『都市を生きぬくための狡知』(世界思想社)、『「その日暮らし」の人類学』(光文社新書)、『チョンキンマンションのボスは知っている-アングラ経済の人類学』(春秋社、大宅壮一ノンフィクション賞、河合隼雄学芸賞受賞)

岩倉拓  臨床心理士。あざみ野心理オフィス共同主宰、精神分析学会認定心理療法士。横浜国立大大学院教育学研究科修士課程修了。電話相談員、精神神経科クリニック、スクールカウンセラー、大学病院心理士、保健所・乳児院コンサルタント 等を経て、2007年あざみ野心理オフィス開設。 主な著書に、『事例検討会のすすめ―皆のこころで考える心理療法』(岩崎学術出版社、編著)、『事例で学ぶアセスメントとマネジメント―こころを考える臨床実践』(岩崎学術出版社、共著)など。

東畑開人 臨床心理士、公認心理師。沖縄の精神科クリニックでの勤務を経て、2017年より「白金高輪カウンセリングルーム」主宰。元十文字学園女子大学准教授。 主な著書に『日本のありふれた心理療法』(誠信書房)、『居るのはつらいよ』(医学書院)、『心はどこへ消えた?』(文藝春秋)、『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』(新潮社)など。

山崎孝明 臨床心理士、公認心理師。現在、こども・思春期メンタルクリニック勤務。2020年、日本精神分析学会奨励賞山村賞受賞。 主な著訳書に、『精神分析の歩き方』(金剛出版)など。 堀川聡司 臨床心理士、公認心理師。目白大学心理カウンセリングセンター助教を経て、現在、駒澤大学コミュニティ・ケアセンター、白金高輪カウンセリングルーム勤務。 主な著訳書に、『精神分析と昇華―天才論から喪の作業へ』(岩崎学術出版社)、ヴェルドン『こころの熟成―老いの精神分析』(白水社、共訳)など。  


趣旨

 9月のオープンセミナーのテーマは「臨床エスノグラフィー」です。つまり、臨床現場をエスノグラフィーとして描き出すこと、新人として入職してから一人前になるまでの期間をフィールドワークとして捉え直すこと、そうすることで臨床をめぐる社会的力動を明らかにする方法のことです。たとえば、『居るのはつらいよ』を思い浮かべていただけるといいかもしれません。

 対置されるのは事例研究法です。一人のクライエントとの援助プロセスを描き出すことで、そこに生じている心理的力動を明らかにする方法のことです。個人を対象とすると、どうしても心理学的な解釈が説得力を持つため、その背景にある社会的力動は見失われがちになります。

 本来、心の臨床は心理的力動と社会的力動の接点で行われるものです。心の苦悩は社会との齟齬によって生じると同時に、心の治癒もまた社会との相関によって生じます。ですから、心と社会の両面から、心の支援を考えていく必要がある。この点で、臨床エスノグラフィーはこれまでの事例研究偏重の臨床心理学に対する有効なオルタナティブになるように思います。

 問題はいかにすれば、有効な臨床エスノグラフィーが可能になるかです。フィールドワークそのものを大幅に変更することはできません。臨床現場にあっては、重要なのは研究ではなく、働くことです。それは多くの場合、動かしがたいものだと思います。

 工夫できるとすると記述です。臨床現場で働きながら、私たちは膨大な事実に出会っています。そのうちの何を記述すると、エスノグラフィーとなるのか。これがオープンセミナーのテーマです。

 そのために、人類学者小川さやか氏をゲストにお招きして、エスノグラフィーとは何か、何を見て、何を書き、何を考えることで、そこにある社会的力動を描くことが出来るのかを考えてみたいと思います。

 具体的には小川さやか氏より「エスノグラフィーの書き方」を最初にご講義いただき、その上で福島での心理的支援のエスノグラフィーを岩倉拓氏に、大学相談室でのカウンセリングのエスノグラフィーを堀川聡司氏に発表してもらい、小川氏よりコメントを頂き、議論を深めていきたいと思います。




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