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アーカイブ視聴「心理職としてのアイデンティティの危機と当事者性」

  • 執筆者の写真: 兵庫県臨床心理士会
    兵庫県臨床心理士会
  • 2月14日
  • 読了時間: 5分

研修主催団体: (株)心理オフィスK

研修内容:

■概要

 心理職は心理学や臨床心理学を基盤にもつ専門職です。そのため、大学や大学院では心理学を学び、心理学の実験や実習を修め、専門的な知識と技術を習得します。これを専門性と言います。

 しかし、心理職は他の専門職と大きく違うところがあります。それは個々人のパーソナリティや個性、人間性、個人史、病理などの言わば当事者性が大きく業務に関わってくることです。心理職はユーザーの心や内面に関わりますが、その時に心理職は自身の心や内面をユーザーに差し出します。心と心が、内面と内面が触れ合うことで、心理臨床というクリエイティブな営みが生成します。そのため、専門知識・技術を身に着けることと同等に、時にはそれ以上に心理職は自身の心や内面、当事者性を高い感度で自覚しておく必要があります。

 こうした専門性と当事者性を合わせた上で心理職としてのアイデンティティは形成されますが、時にはこれが揺るがされることがあります。例えば、組織の中で一見すると心理職とは思えない業務を割り当てられることもあるでしょうし、苦悩するクライエントを前に心理職として何もできないという無力感を突き付けられることもあるでしょう。そうした時、心理職としてのアイデンティティは揺らぎ、危機に陥ります。

 専門性と当事者性の折り合い方や、心理職としてのアイデンティティの危機の乗り越え方には正解はありません。だからこそ、自身で葛藤し、苦悩し、道を切り開いていく他はありません。ただし、正解はありませんが、他の心理職がどのように乗り越えていったのか、もしくは乗り越えようとしているのかを知ることや、他者との対話は非常に参考になるでしょう。

 さて、このセミナーでは現役の心理職である4人の方々に、自身の当事者性やこれまでに陥った心理職としてのアイデンティティの危機といったパーソナルな話をしていただきます。つまり、そうした問題にどのように身を投じ、そして、どのように格闘し、それをどのように収めていったのかなどの等身大で、リアルな部分について語っていただきます。

 登壇者のみならず参加者の方々と一緒に、専門性と当事者性のバランスを取りながら、日々の臨床にどのように取り組んでいくのかについてディスカッションできればと考えています。何かを受身的に学ぶということよりも、参加者も自身を振り返り、積極的に自身のアイデンティティと当事者性に思いを巡らせることができるセミナーにしていくつもりです。


■配布資料の一部


■動画の一部


■本セミナーで学べること

・当事者性の取り扱い方

・心理職アイデンティティの立て直し方

・専門性と当事者性とのバランス

・パーソナルな部分の活かし方

・自己開示について


■講師

山下美佳 先生

 所属:心の海を味わう心理相談室 TAYUTAU

 資格:臨床心理士、公認心理師、生殖心理カウンセラー

 出身大学・大学院:長崎純心大学人文学部人間心理学科、長崎純心大学大学院人間文化研究科臨床心理学分野

 経歴:大学を卒業後、一般企業に数年在籍し、生殖医療における心理支援に興味を持ったことから大学院へ。「生殖医療で生まれた子ども達への発達的フォロー」が求められていると知り、大学院修了後は発達外来や療育施設、乳幼児健診の育児相談などに従事。2022年に生殖心理カウンセラーを取得。「生殖」という課題にどう貢献できるか、今できることを模索中。


北川清一郎 先生

 所属:(株)心理オフィスK

 資格:臨床心理士、公認心理師

 出身大学・大学院:関西大学大学院社会学研究科社会心理学専攻臨床心理学専修 修了

 経歴:大学院を修了後、精神科クリニック、教育センター、児童相談所、EAP、大学相談室などで勤務をした後、2015年に個人開業。精神分析をオリエンテーションにしている。


梶原都香紗 先生

 所属:近畿大学病院心療内科・緩和ケアセンター

 資格:臨床心理士、公認心理師

 出身大学・大学院:京都文教大学人間学部臨床心理学科、京都文教大学大学院臨床心理学研究科

 経歴:不登校・別室登校支援、ひきこもり支援に従事した後、東日本大震災をきっかけに石巻赤十字病院に勤務し、緩和ケアやチーム医療の実践を行う。2019年より現職にて、緩和ケアセンターの心理職としてがん患者へのサポートを行っている。


福地周子 先生

 所属:橿日会かしい心療クリニック、こころの相談室ねこのて

 資格:臨床心理士、公認心理師

 出身大学院:早稲田大学大学院教育学研究科、久留米大学大学院比較文化研究科臨床心理学系

 経歴:早稲田大学大学院で教育学修士取得後、久留米大学大学院にて臨床心理学を学びました。2002年から現在まで、橿日会かしい心療クリニックに勤務。2020年にこころの相談室ねこのてを開業し、心理職を対象にオンライン相談を提供している。


■収録時間

約5時間30分


■アーカイブ視聴期間

無期限


■参加費

5,000円

・体調不良、急用、家庭の用事など個人的な理由であってもキャンセルの場合には返金します。

・支払い方法は銀行振込、コンビニ払い、クレジットカード払いがあります。

・自治体などで請求書払いが必要な方は以下の申し込みフォームからご連絡ください。


■オンライン開催

アーカイブ視聴はVimeoを用いています。視聴可能かどうかは以下のテスト視聴のページをご覧ください。映像と音声がうまく再生できていればアーカイブは視聴可能です。


■参加資格

 臨床心理士、公認心理師、医師、心理職、カウンセラー、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、看護師、保育士、教師などの資格をもつ対人援助の専門家、大学院生など。心理職としてのアイデンティティや当事者性などに興味を持っていればどなたでも参加可能です。


■臨床心理士更新ポイント

臨床心理士の更新のためのポイントを2条(4)の項目(2ポイント)で申請する予定です。また、アーカイブ視聴でもポイント取得可能です。


■申し込み期日

無期限


■主催

(株)心理オフィスK


■その他のセミナーの一覧


■詳細と申し込み

参加希望者は以下から申し込みください。

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