フェレンツィの独自性:ゲシュタルト療法を考えるために
ゲシュタルト療法の革新的なアプローチは、たとえば「今ここ」や「関係性」「身体性」の重視、「演じること」や「実験」を活用すること、心理療法はその瞬間瞬間の「創造」であること、として知られています。しかし、精神分析の潮流の中にも、こうしたアプローチを試みた先駆者がいました。フロイトに師事し、共に精神分析を生み出しながらも後に反抗した精神分析家、シャーンドル・フェレンツィのことを、「ゲシュタルト療法の祖父」と呼ぶ人もいます。この研究会では、フリッツ・パールズらによるゲシュタルト療法の発展に、フェレンツィがどのような影響を与えたのかを探求します。
日時・場所
2024年8月03日 13:00 – 15:00
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「フェレンツィはフロイトの精神分析に出会い、後に精神分析学会会長を務めるほどに中心的な役割を演じた。その役割は、精神分析の後の発展の礎石となる理論、概念の提出と言える本質的なものであった。しかし、1920年代に入ると、彼の実践は精神分析学会がたどった軌跡から離れていく。それは、彼が、「治療関係の情緒的基盤」「人格の分裂(解離)」「トラウマ」をめぐって理論を展開し、実践においては、解離された人格との対話を含む治療技法の「柔軟性」を追求したからである。その軌跡を辿りながら、ゲシュタルト療法との関連性を考えてみたい」(森茂起)
【講師】森茂起
臨床心理学者、甲南大学名誉教授。トラウマ研究、フェレンツィ研究の第一人者として知られる。著書 『トラウマ映画の心理学』(共著、新水社、2002)『トラウマの発見』(講談社、2005)『フェレンツィの時代』(人文書院、2018)ほか。
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