第57回の兵庫県臨床心理士会研修会は、zoomを用いたオンライン研修を行います。日頃会場に足をお運びいただけない地方にお住まいの会員の皆さまも、この機会に奮ってご参加ください。研修会開始前に、情報の取り扱い等の守秘義務に関する誓約書にweb上でご回答をいただきます。ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
○研修テーマ 「トラウマ・この複雑なるもの ~トラウマの理解と実践~」
第57回の研修会は「トラウマ」をテーマとして取り上げます。兵庫県では阪神淡路大震災以後、トラウマというテーマに臨床心理士は向き合ってきました。その後も事件・事故、災害、虐待、いじめ、喪失体験など、トラウマに関連する臨床は様々な領域で行われています。 ただ、トラウマと一言にいっても、その程度や体験、現われ方は多様です。明確にトラウマ体験や症状が語られることもあれば、様々な症状や行動の背景に埋もれ気づかれにくい場合もあります。クライエントの全体像を見てトラウマの観点も持って接していくことが必要とされます。臨床心理士は、症状の緩和やトラウマ体験への曝露等に終始するのではなく、トラウマ体験がその人にどのような意味があり、人生の中でどのような位置づけなのか、その人生における文脈、環境も含めた総合的な理解をすることが求められます。 クライエントの安全・安心を確保しつつ、自分と人生を取り戻す過程において、クライエントが希望を持てるよう臨床心理士はどのように関わるべきか、トラウマ、この複雑なるものについて皆さんと一緒に考えたいと思います。
○日時 :令和4年1月23日(日)
本研修はzoom というアプリを使ったweb上で行います。
※ 手話通訳はありません。必要な方は音声入力等のアプリをご用意願います。
9:30~ 入室時間(入室開始、待合室での待機)
10:00~10:10 会長挨拶、オンライン説明、研修会趣旨案内
10:10~12:40 午前の部
「心の傷つきについてあらためて考える ~トラウマって何?~」
田中 究 先生(兵庫県立ひょうごこころの医療センター 院長)
12:40~13:30 昼休憩
13:30~16:00 午後の部
「トラウマインフォームドケア システムアプローチ ~負のカラクリを紐解き、正の連鎖に~:支援者が巻き込まれすぎないセルフケア」
海野 千畝子 先生(兵庫教育大学人間発達専攻臨床心理学コース 教授)
○午前の部 「心の傷つきについてあらためて考える ~トラウマって何?~」
講師:田中 究 先生(兵庫県立ひょうごこころの医療センター 院長)
司会:伊藤 俊樹 先生(神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
みなさんは「トラウマ」という言葉を聞くと、何をイメージされるでしょうか。我々の活動している兵庫県は、阪神淡路大震災を経験し、トラウマについての取り組みを積極的に行ってまいりました。そのような歴史の中、いじめや虐待の現場などで、トラウマと向き合っている臨床心理士も沢山おられることと思います。臨床で出会う方々は、様々な「トラウマ」を抱えて我々の前に現れます。また、最近のニュースで有名な人が「複雑性PTSD」と診断されていると聞き、意外に感じられた方も多いのではないでしょうか。現在、トラウマの概念は多様化してきており、トラウマをどのように捉えればよいのか、混乱することも多いかと思います。 今回は、長年トラウマに関わる臨床経験を積まれ、深い学識もお持ちである田中究先生(兵庫県立ひょうごこころの医療センター院長)をお招きし、トラウマ概念の理論と臨床に関してのご講演をお願いしております。トラウマをどのように理解したらよいのか、どのように扱っていけばよいのかについてのご示唆をいただければと思います。 皆さまのご参加をお待ちしております。
〇午後の部 「トラウマインフォームドケア システムアプローチ 〜負のカラクリを紐解き、正の連鎖に〜:支援者が巻き込まれすぎないセルフケア」
講師:海野 千畝子 先生(兵庫教育大学人間発達専攻臨床心理学コース 教授)
司会:人見 禎昭 先生(善照学園)
近年トラウマへの関心が高まる中、2022年1月に発行されるICD-11では複雑性PTSDが公式診断として掲載されるようになりました。複雑性PTSDは一回きりのトラウマではなく虐待やDV、いじめなど反復的なトラウマ被害により臨床像は複雑化していきます。そして今まで見えていた症状の裏側に実は複雑なトラウマが潜んでいる可能性もあります。そのような複雑なトラウマに対しては個人の心理支援だけでなくチームとしての対応も求められてきます。 午後の研修会では、トラウマへの実践的な対応について研修を企画させて頂きました。講師は海野千畝子先生(兵庫教育大学人間発達専攻臨床心理学コース 教授)にご登壇頂きます。これまで積み重ねてこられたトラウマへの実践的対応や性的虐待へのアプローチ、昨今広まりつつあるトラウマインフォームドケアを実際にどうチーム対応に取り入れていくかなどについてお話をして頂く予定になっております。 これからの心理臨床においては避けて通れないトラウマへの支援について、その複雑なるものを紐解き、正の連鎖を生み出せるよう皆様と理解を深めていきたいと思っております。ご参加お待ちしております。
○申し込み要領
参加費:兵庫県臨床心理士会会員 2,000円
(Web研修にて通常価格より千円割引)
※会員の方はマイページのシステムからお申込みいただくと、後から参加履歴を確認できるようになります。ご利用ください。
・他府県臨床心理士会会員・日本心理臨床学会会員 5,000円
・臨床心理士養成大学院在籍大学院生 2,000円
お申し込みはコチラ
申込締切:令和4年1月16日(日)
☆研修会前々日までに、ミーティングID等を記載したメールをお送りいたします。届いていない場合は、前日までに事務局までお問い合わせください。
☆一斉メール送信が拒否設定になっている場合があります。メール設定をご確認下さい。
☆Gmailの場合には、受信トレイではなく「すべてのメール」のボックスに入ってしまう場合があります。特にGmailの場合、メールが届かない等のトラブルが起きることがあるようです。セキュリティの設定等を各自事務局からメールが届く設定にしておいてください。
☆メールが届かないようでしたら、事務局にお問い合わせ下さい。
○研修ポイント 全日程参加者には研修ポイントが付与されます。研修開始前に「守秘義務に関する誓約書」に署名、終了後のアンケートに回答することで、研修会に参加したとみなします。なお、今回はWeb研修のため、研修参加証明書は発行しません。資格更新手続きの際、前述の方法で参加確認が取れた方については、メールで確認された旨ご連絡いたします。
〇オンライン(zoom)研修について
①zoomアプリをお持ちでない方は、事前にお手持ちのパソコン、スマートフォンにアプリのダウンロードをお願いします。このアプリはzoom のホームページから無料でダウンロードできます。最新版のインストールをお願いいたします。
②当日は、安定した通信環境が確保された場所でのご利用をお願いいたします。
③zoomの利用方法や通信状態の不具合の問い合わせについて、当会事務局は対応できません。zoomの利用方法の確認などは、あらかじめご準備ください。また、通信の利用状況などは、インターネット契約通信会社などにお問い合わせ下さい。
④参加申し込みを頂いていない方の視聴は固くお断りいたします。
⑤zoomのURLを申込者以外に提示することは絶対にお止めください。
⑥zoom画面をSNSやブログ、動画配信サイトなどに掲載するなど、外部に発信することを固く禁じます。
★研修についてのご希望ご意見を兵庫県臨床心理士会研修委員までお寄せください(伊藤俊樹、中村有生、石河倫美、三木伸子、春原千夏)
問合せ先 兵庫県臨床心理士会事務局
メール:cps★hyogo.email.ne.jp ★を@に変えてください。
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