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  • 兵庫県臨床心理士会

第6回『臨床こころの発達研究会』講演会のご案内

第6回『臨床こころの発達研究会』講演会のご案内

日一日と秋が深まり、寒暖差が厳しく適応するのが辛いという声を耳にする頃となりましたが、皆様にはご活躍のこととお喜び申し上げます。

さて、第6回『臨床こころの発達研究会』講演会のご案内をいたします。今回もZOOMによるオンライン講演会です。症例検討会ができないのはたいへん残念なことですが、症例を報告するという形でオンラインの利点を生かしたZOOM開催を決定しました。

今回の講演会のテーマは『転移・逆転移について』です。初期の精神分析では転移は歪んだ認識で治療抵抗だと考えられ、一方逆転移は、フロイトは「自己自身の内部にあるこの逆転移に注意してこれを克服しなければならない」と分析家に要求しました。つまり、転移と逆転移は双方とも治療上好ましくないものとして考えられていました。しかし転移と逆転移は精神分析療法では必ず伴う現象です。それ故に、フロイト以降の分析家たちは、転移は過去と現在を結ぶ治療の懸け橋になり、逆転移を通じて患者理解を深めることが可能だという考えに至りました。今日では転移・逆転移を相互作用として理解する、つまり転移と逆転移という現象を「・」でセットとして理解する時代になりました。

今回の講演会では、かつて九州でご活躍され現在は東京でクリニックをご開業されている藤内栄太先生と福岡県立大学で臨床心理士の育成に力を入れている池志保先生のお二人をお招きしました。藤内先生には対象関係論から見た転移・逆転移を、池先生には関係精神分析の立場からお話ししていただく予定です。

最初に、本研究会の実行委員を代表して川谷が転移・逆転移の歴史的概念の変遷について語り、それを今どのように自分のものにするかについてスピノザの知恵を借りて語ります。次いで、実行委員の一人小児科医渡邉は自閉スペクトラム症児の母子同席面接における罪悪感の形成過程について転移・逆転移の観点から症例報告します。特に、母子同席面接という治療構造と転移・逆転移の関連に焦点を当てる予定です。

池先生は自我心理学からどのような経緯を経て関係精神分析が登場したのか、そして転移・逆転移概念はどのように考えられるようになったかについてお話されます。最後に、藤内先生には対象関係論の立場から数十年のあいだ展開されてきた転移・逆転移の理解と対応そしてタイトルにありますように先生ご自身のお考えをお話しいただく予定です。

転移と逆転移は精神分析臨床の場のみならず日常生活の対人関係にいたるまで、人と人が関係をつくる際にはほぼ自然発生的に生じる現象でもあります。精神分析を学ぼうとしている人のみならず精神分析以外の精神(心理)療法の臨床に携わる方々にも大変役に立つ考え方をご提供できるものと考えております。多数の皆様のご参加をお待ちしています。

                      令和4年11月吉日

『臨床こころの発達研究会』

川谷大治、杉本流、岩永洋一、渡邉恵里

山崎篤、恒吉徹三、稲員修平、柴田俊祐

第6回「臨床こころの発達研究会」講演会プログラム

1.挨拶と講演1題:9時00分~10時35分(質疑応答を含む)

      司会:稲員修平(川谷医院)

講師:川谷大治(川谷医院)  『転移・逆転移概念の歴史的変遷とスピノザの観点から』

2.症例報告:10時45分~12時15分(質疑応答を含む)

  司会:杉本 流(川谷医院)

  症例報告:渡邉恵里(川谷医院) 『自閉スペクトラム症児の母親同席面接』

~昼休み(12時15分~13時15分)~

3.講演2題:13時15分~14時45分(質疑応答を含む)

司会:岩永洋一(川谷医院) 

講師:池志保(福岡県立大学)  『間主観性理論から考える患者・治療者関係』

4.講演3題:14時55分~16時30分(質疑応答を含む)

司会:山崎 篤(精神分析的精神療法センター)

   講師:藤内栄太(ときわ台メンタルクリニック)  『転移・逆転移の彼岸』 

5.全体ディスカッションと閉会の辞:16時30分~17時00分

      司会と挨拶:恒吉徹三(山口大学)

申し込み方法

                                                       

日時:令和5年3月26日(日) 9:00~17:00

   Zoomによるオンライン研修会

会費:3,000円  定員:120人(先着順)  

受付期間:令和4年11月16日(水)~令和5年3月13日(月)

申込: ウェブ上の申し込みフォームからお申込みください。以下のURLを入力して検索するか、

右上側のQRコードを読み取ってください。 URL:https://form.os7.biz/f/2f74c886/

(*ウェブ上でのお申し込みがうまくいかない場合には、件名を「第6回臨床こころの発達研究会参加希望」

として、①氏名、②連絡先と電話番号、③メールアドレス、④勤務先・職種、⑤臨床心理士登録番号(お持ちの

方)をご記入の上、右記のアドレス(kawatani@road.ocn.ne.jp)にお申し込みください)。

お申込み後、実行委員会よりメールにて会費振り込み先をご連絡します。入金確認後、参加番号をお知らせします。この手続き終了をもって受付完了です。参加資格は、守秘義務を守れる方で以下の資格を有する者(医師、看護師、心理士、精神保健福祉士、作業療法士、など精神科臨床に携わる者)および心理臨床を学んでいる大学院生であれば、どなたでも大歓迎です。このセミナーは臨床心理士の研修ポイントを申請する予定です。

実行委員:渡邉恵里、川谷大治(川谷医院)

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