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当会について

 近時、社会の大きな変化・変動にともない、不登校、引きこもり、過食や拒食、心身症、少年非行、児童虐待、育児不安など、「こころの健康」にかかわる問題がさまざまな形であらわれています。そうした時代において、「こころの専門家」としての臨床心理士への期待と要請がますます高まっています。

 そうした社会的要請を背景として、本会は、平成5年5月、こころの健康にかかわる専門家である臨床心理士の職能団体として設立されました。兵庫県内に居住または勤務する臨床心理士によって構成され、現在の会員数は、約1530名(2026年4月現在)です。

 本会は、会員のための研修会の開催、講演会などの一般向け啓発活動、臨床心理士の地位向上に関する事業、会員の相互扶助、日本臨床心理士会への協力など、さまざまな事業を行っています。

会長メッセージ

「悩んで悩んで悩んで悩んで悩んでまいります」

2026.5.10

兵庫県臨床心理士会 会長  福島 美由紀

 

 ホームページをご覧いただいた皆様、はじめまして、本年度より本会の会長という大任を拝しました福島美由紀です。今まで、大学の先生でいらっしゃるアカデミックな方が歴任してこられましたが、今期、初めて一介のスクールカウンセラーである私に白羽の矢を立てていただきました。

 スマホやSNSの普及はもちろん、密になることを避けてきたコロナ禍後、人間関係の変容が多くの事件を生んでいるかのような昨今です。スクールカウンセラーという未だ不安定な働き方をしてはいますが、教育業界にいる私が本会の会長になる使命は相当大きいのではないかと、身の引き締まる思いをしております。

 コロナが第5類に移行したとはいえ、現在でも世界各地では様々な感染症の報告があったり、米中露の大国と湾岸諸国や近隣諸国との、「戦争」と言っても過言ではないような軋轢の数々があったり。前述した事件については、トクリュウ犯罪やその他不可思議な凶悪犯罪も後を絶たず。また、頻繁に起こる日本全土を襲う地震の恐怖。どれをとっても「不安」や「緊張」や「恐怖」の連続です。

 そんな恐ろしい現代社会にあって、私が大切に思っていることは①何とか無事な自分の「今を信じること」です。「今は大丈夫」あるいは「今日は大丈夫」という感覚です。とはいえ、もしかしたらこの後、事故に遭ってしまうかもしれません。そして、何を隠そう、この文章を書いている今、私は風邪という感染症にかかっています。でも、②明日は良くなると「未来を信じること」です。そして、もっと言えば、その気分を損なわずにすむ③信じようとする「同志を増やすこと」こそ重要だと思っています。さて、これらを「心理学」と言えるのか、という問題が生じます。今の、ウェルビーイングやレジリエンス、オープンダイアログやマインドフルネス、トラウマケア、もちろん精神分析や認知行動療法も含め、様々な領域の心理学理論もその理論を「信じる」ことから始めるわけですから、私の考え方もまんざら路線から外れたものではないでしょう。因みにE.H.エリクソンは「基本的信頼感」をベースとして考えました。

 しかしながら、実際はいつも信じることはそう簡単にはいかず、私自身、多くの失敗を重ね、落ち込み、「信じられない」状況に陥ることが多々ありました。それでもまた「信じよう」とできるのは、周囲に私を信じてくれている人がいるからでした。兵庫県臨床心理士会の皆さんは「人の健康」のために尽くす「同志」です。だから、「今を信じる」同志であると信じたいところです。とはいえ、世の中は、悩ましいことばかりです。あるリーダーは「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」とおっしゃいました。私は「悩んで悩んで悩んで悩んで悩んでまいります」と宣言します。働くのは蟻でも蜂でもできますが、悩む、あるいは悩み続けるのは、おそらく人間しかできない高度な精神性であり、技でしょうから。人々の「不安」や「緊張」や「恐怖」を、少しでも、「安心」に変えていけるよう、悩んでまいります。そして、皆さん、共に悩みましょう。

© 2026 兵庫県臨床心理士会

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