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『対話』の難しさを社会構造から考える-『分断』を超えたその先へ-

  • 執筆者の写真: 兵庫県臨床心理士会
    兵庫県臨床心理士会
  • 9月29日
  • 読了時間: 3分

研修主催団体: 川島英行他

研修内容:

〇概要

 9/27(土)に心理臨床学会で行う予定であったにもかかわらず、誤ってzoomを削除してしまったために開催できなかったシンポジウムを開催します。


抄録:

 ある事象や集団について検討する際、思考を整理するために、それらを二つに分けて考えることが多い。また、場の活性化や学問の発展を狙う議論の設定手法においても、二項対立を作り出す方法が多用されている。この方法は、無理に二項に押し込められたり削ぎ落されてしまった小さな『声』が見えにくくなってしまう危険がある。

 このような二元論的な思考が論理的思考の展開に役立つこともあれば、二項対立的な構造を作り出し、分断を生み出すこともある。その分断を乗り越えるため、『対話』を重ねていくこともあるだろう。しかし、『対話』によって本当に分断を乗り越えることはできるのだろうか?二項の優劣を競い、上下を作り出す構造を維持してはいないだろうか?

 私たち心理職の実践を基に形作られる学問である心理臨床学も、このような二元論から逃れられない。そこにはどうしても捨象されてしまう『声』や体験があるのではないだろうか。また、自分自身の体験・経験は『とるにたらないものである』と、『声』をあげることすら難しいポジショナリティ(立場性)があり、社会構造があることは、言うまでもない。私たちは、そういった社会構造の中に生き、臨床実践を行っている。

 学会などにおいても、この時間に参加することのできない者のように、『対話』のテーブルに着くこと、また、他者と共有できるような形で声をあげることが難しい立場の仲間の声を聴くことは容易ではない。

 本シンポジウムはそのような立場の人たちの存在を念頭に置きながら、競わず、勝敗や分断を生み出さない『対話』を試みるものである。

 登壇者は、それぞれが異なるポジショナリティを有しつつ、どのような形であれば力の不均衡がありながらも互いの立場を尊重し、安全な『対話』が可能になるのかに関心を持っている。四人は本シンポジウムの準備のために『対話』を試みてきたが、そのプロセスもまた困難と葛藤の多いものであった。当日は登壇者の発表と、それに対する各登壇者の応答を提示する。

 それらを通して、小さな『声』が主体となること、小さな『声』を拾おうとすることで起こる難しさ・葛藤・希望の語りと応答、そこから喚起されたフロアからの語りを通じ、小さな『声』に耳を澄ます『対話』と学問について考えたい。


〇日時(スケジュール)

2025年10月18日(土)19:15~21:15 @ zoom


〇登壇者

企画・話題提供者:川島 英行(大分県こころとからだの相談支援センター)

話題提供者:相澤 みゆき(ファミリーメンタルクリニックまつたに)、打波 祐子(こころの相談室うちなみ)、山崎 孝明(こども・思春期メンタルクリニック)


〇場所(zoom)

フォームから申し込まれましたら、zoomアドレスが表示されます。


〇参加資格 臨床心理士か公認心理師の資格をお持ちの方、もしくはそれらの資格取得を目指しておられる大学院生、その他対人援助職の資格をお持ちの方


〇参加方法

以下のフォームよりお申し込みください。


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